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bakaid: 20120222

ソフトウェア開発っていうのは新しいものを作るのが宿命づけ
られてるんですね。

ソフトウェアっていうのは使っても減らないし、コピーも安価
だし、一度手に入れてしまえば同じものを買いなおす必要という
のは原則的にはない。だから、買ってもらうためには新しい
何かを作らないといけない。

新しいものを作るっていうのは未知の領域に踏み込むっていう
ことで。未知の領域に踏み込めば転ぶこともある。

だとすると、新しいものを作るのが宿命づけられているのなら、
転ぶというのも宿命づけられていることになる。ソフトウェア
開発というのはよく転ぶものだということ。

なら、転ぶことを前提に進んでいくほうが利口というもので。

不意を突かれて転ぶと大抵は痛いもの。だから、不意を突かれ
ないために用心する。計画を立てたりとか、回帰テストを
やったりとか。

スピードを出しているときも転ぶと痛い。今のスピードが周囲の
状況と合っているか、本来やらなきゃいけないものを省いて
いないかということを確かめる。

ただ、転ばないように用心すると、どうしてもスピードが落ちる。
どのくらいのスピードがいいかは人によっても組織によっても
プロジェクトによっても違うでしょう。

でも、どんなに用心しても、転ぶときは転ぶ。まったく転ばない
というのであれば、それは未知の領域でなく、新しくなく、高く
売れるものじゃないということ。

転んでしまったらできるだけ早く起き上がる。でないと、状況は
ひどくなる一方。道で転んだままだと後ろから来た車に轢かれるし、
リングで転んだままだとタコ殴りにされる。

起き上がるというのは体勢を立て直すこと。傷を手当てして、
これからのことを決める。治すべきものがあれば治し、見直す
ものがあれば見直す。

当然、転ぶよりも前の段階、つまづく程度の段階で体勢を立て
直すほうがいい。だから、自分の体勢が今どうなっているかを
把握する。

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「転ぶ」というのは「失敗」を言い換えたもの。XPでも失敗は
原則の1つになっているんだけど。

失敗が生まれるのは挑戦があったからなんですよね。逆にいうと、
絶対に失敗しない挑戦は挑戦ではない。

挑戦というのとリスクというのは語感としてずいぶん違う。
どちらも失敗がつきものなんだけど、挑戦には夢を感じるし、
リスクには感じない。

失敗が貴重だというなら、挑戦だって同じように貴重だし。

--

「碁は殴るか構えるか」王銘エン著、毎日コミュニケーションズ

メイエン九段の「ゾーンプレスパーク」は前にも紹介したことが
ありました。この本はその続編ともいえるものです。

碁を格闘技として捉え、着手を「殴る手」と「構える手」とに
大別して打ち進めようという話。ぶっちゃけ「殴る手」が
「プレス」で、「構える手」が「ゾーン」で、「ゾーンプレス
パーク」の焼き直しという側面もあるんですけど(笑)。

でも、「構え」という言葉を導入したのは、自分にとっては響き
ました。構えは防御であり殴るための準備でもあると。

この本、つい先日読み終わって、あれこれ考えていたんですけど、
ちょうど今日、toRubyの@track8さんが転ぶことについて
つぶやいていて。そのとき、「転ぶこと」と「構え」が自分の
中でつながったんですね。

まぁ、碁を打たない人に薦められる本でもないんで。

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で、いわゆるウォーターフォールって、上段の構えなんですね。
防御を捨てて攻撃に賭ける構え。相手の変化に付き合わず、己の
攻撃を信じる。だから上段。まぁ、実際はスケジュールにバッファ
持たせたりするんでしょうけど。

一方、アジャイルは正眼の構え。防御と攻撃を両立させようと
する。相手の変化に対応し、防御と攻撃を素早く入れ替える。

いわゆるカウボーイスタイルっていうのは、構えのない構え。
ボクシングでいうとナジーム・ハメドみたいな天才肌。

本家Permlink

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